SPACE GUIDE

スペースの探し方

2026.08.21
撮影・ロケ地

【東京】昭和レトロな撮影スタジオ・ロケ地14選|喫茶店・スナック・町工場

東京の昭和レトロなスペース14件の写真を並べたアイキャッチ画像

扉を開けると、時間の進み方が変わります。使い込まれた木のテーブル、色を変えた壁、天井から下がる古い照明。作り込んだセットでは出せないものが、そこにあります。

昭和の空気が残る場所は、いま撮影の現場から強く求められています。ドラマの回想シーン、ミュージックビデオ、雑誌の特集、レトロを打ち出したブランドのルックブック。ただ、こうした空間は検索で見つけにくいものです。多くが営業中の店舗であり、貸出のために作られた施設ではないためです。

この記事では、東京都内で撮影に使える昭和レトロな空間を14件紹介します。喫茶店、スナック、町中華、古民家、学校の教室、そして現役の町工場まで、業態ごとに分けてまとめました。

この記事で紹介するのは、HEYUSEに掲載しているレトロな空間のうち、東京都内にあり、撮影での利用を受け付けている14件です。都外の掲載分と、洋館やアラビアンなど昭和とは系統の違う空間は含めていません。料金は1時間¥11,000から、1日¥550,000まで幅があります。

東京の昭和レトロなスペース14件の比較

料金の単位はスペースごとに違います。時間貸しと日貸しが混在しているため、単位を分けて並べました。表の料金はスチール撮影の平日料金です。

スペースエリア料金単位広さ
アート喫茶フライ目黒区東山¥22,000〜1時間130平米
カラオケバー カナリア渋谷区神山町¥22,0001時間80平米
スナック ララバイ港区赤坂¥22,0001時間26.3平米
サウナスナックかなこ品川区南品川¥22,0001時間80平米
CafeAngelina世田谷区世田谷¥11,0001時間31平米
珍々軒台東区上野¥550,0001日19平米
かわせみ亭文京区本駒込¥16,5001時間60平米
the design gallery中央区新富¥55,0001日75平米
STUDIO MOLCA世田谷区等々力¥24,2001時間110平米
SEE YOU TOMORROW世田谷区太子堂¥13,2001時間35平米
HOME/WORK VILLAGE世田谷区池尻¥33,0001時間63平米
下町の町工場江東区¥33,0001時間150平米
ワタナベボクシングジム品川区西五反田¥22,0001時間160平米
SPOTMAN杉並区高円寺南¥11,0001時間30平米

多くのスペースに最低利用時間があり、搬入から搬出までが利用時間に含まれます。表の料金は最低利用時間分の総額ではありません。

昭和レトロな空間を撮影で借りるときに確認したい4つのこと

営業している店舗かどうか

まず確認したいのは、そこが今も営業している店舗かどうかです。喫茶店やスナック、町中華の多くは現役の店で、撮影に使えるのは営業時間の外に限られます。

『珍々軒』は毎週月曜日のみの受付です。月曜が祝日の場合は翌日に振り替わります。『スナック ララバイ』は土曜以外の14:00〜20:00が基本の利用時間で、20:00以降は別途営業補償が必要になります。『ワタナベボクシングジム』は6:30〜16:00で、練習が始まる前の時間帯です。

日程の候補を複数持ってから問い合わせると、話が早く進みます。

料金が時間帯や曜日で変わるか

レトロ系の空間は、料金が一定ではないことがあります。

『アート喫茶フライ』は時間帯で4段階に分かれ、8:00〜11:30が1時間¥22,000、11:30〜14:00と20:00〜24:00は¥44,000です。『カラオケバー カナリア』はスチールとムービーで料金が違い、土日祝はさらに上がります。『かわせみ亭』はスチール、ムービー、貸切イベントで別々のプランが用意されています。

見積もりを取るときは、撮影の種類と曜日、時間帯をあわせて伝えてください。

広さと搬入経路

昭和の建物は、いまの基準では天井が低く、間口も狭いことがあります。

『STUDIO MOLCA』は110平米で天井高2,300mmです。照明を立てる場合は、この高さが効いてきます。また『スナック ララバイ』は4階、『ワタナベボクシングジム』は3階、『HOME/WORK VILLAGE』も3階にあります。機材の量が多い撮影では、エレベーターの有無を先に確認してください。

撮影内容の制限

現役の店舗や施設では、撮影内容に条件がつくことがあります。

『珍々軒』は水着や下着、ヌードの撮影を受け付けていません。『下町の町工場』も同様です。『HOME/WORK VILLAGE』は利用にあたって審査があります。企画の内容は、問い合わせの段階で具体的に伝えておくほうが確実です。

【喫茶店・スナック・町中華】昭和の店内がそのまま残る場所

1. アート喫茶フライ(中目黒)

目黒区の喫茶店『アート喫茶フライ』のレンガ壁と木のテーブルが並ぶ店内
  • エリア:目黒区東山
  • 料金:¥22,000〜(1時間あたり・時間帯により変動)
  • 広さ:130平米、着席50名・立席70名

壁一面にアート作品が並びます。新進気鋭の作家の絵が飾られ、喫茶店でありながらギャラリーのような空気が流れています。ワインレッドのベルベットのチェアとアンティーク調の椅子が、130平米の店内にゆったりと置かれています。クリームソーダとオムライスのある喫茶店です。中目黒駅から徒歩6分。展示やポップアップにも対応しています。


2. カラオケバー カナリア(神山町)

渋谷区神山町のカラオケバー『カラオケバー カナリア』の地下フロアとソファ席
  • エリア:渋谷区神山町
  • 料金:¥22,000(1時間あたり・スチール平日)
  • 広さ:80平米、収容最大40名

奥渋の地下。サンセットカラーの照明が店内を包みます。昭和の色気と、いまのニュースナックの軽さが同居した大箱のカラオケバーです。ソファ席と個室があり、DAMのカラオケとJBLのスピーカーが備わっています。夜の社交場の賑やかさを画にしたいときに向きます。渋谷駅から徒歩15分、代々木公園駅から徒歩10分です。


3. スナック ララバイ(赤坂)

港区赤坂のスナック『スナック ララバイ』のネオンサインとボトル棚
  • エリア:港区赤坂
  • 料金:¥22,000(1時間あたり・平日)
  • 広さ:26.3平米、18席

築地、野沢を経て赤坂へ移った店です。壁一面に60年代のヴィンテージポスターが貼られ、床には真っ赤な絨毯が敷かれています。26.3平米と広くはありませんが、プロップの密度が高く、どこを切り取っても背景が成立します。赤坂駅から徒歩4分。利用は土曜以外の14:00〜20:00が基本です。


4. サウナスナックかなこ(南品川)

品川区のスナック『サウナスナックかなこ』の赤い扉と赤いソファ席
  • エリア:品川区南品川
  • 料金:¥22,000(1時間あたり・平日)
  • 広さ:80平米、収容約20名

赤い扉を開けると、ボトルの並ぶスナックのカウンターがあります。その奥へ進むと、多摩産ヒノキのプライベートサウナが現れます。酒場と静けさという正反対の空間が、ひとつの建物の中で地続きになっています。世界観の違うカットを一日でまとめて撮れる構成です。青物横丁駅から徒歩1分。サウナは最大6名まで利用できます。


5. CafeAngelina(世田谷)

世田谷区の喫茶店『CafeAngelina』の大きな木のテーブルと吊り下げ照明
  • エリア:世田谷区世田谷
  • 料金:¥11,000(1時間あたり)
  • 広さ:31平米

世田谷駅前の交差点から路地に入ってすぐ。開業34年の喫茶店です。使い込まれた木のテーブルと、時間とともに色づいた壁があります。作り込んだ空間では出せないものが、ここには残っています。照明は落ち着いたトーンで統一され、自然光との釣り合いも取れています。朝と夕方で表情が変わるため、時間帯を決めてから押さえるのが確実です。


6. 珍々軒(上野)

台東区上野の町中華『珍々軒』のアメ横ガード下にある赤い看板と店舗前
  • エリア:台東区上野
  • 料金:¥550,000(1日あたり)
  • 広さ:19平米

昭和23年、上野駅前の屋台から始まった町中華です。いまはアメ横のガード下で営業しています。何十年も地元の人に通われてきた店内と、高架下の店舗前の両方を撮影に使えます。19平米と小さな店ですが、ここでしか撮れないものがあります。利用できるのは毎週月曜日のみ、9:00〜18:00です。上野駅から徒歩3分。


【古い建物】戦前・戦後の建築が残る場所

7. かわせみ亭(本駒込)

文京区本駒込の古民家『かわせみ亭』の庭に面した外観
  • エリア:文京区本駒込
  • 料金:¥16,500(1時間あたり・スチール)
  • 広さ:60平米、収容最大20名(着席13名)

昭和初期に建てられた古民家を改装した一軒家です。小道の先の木の引き戸を開けると、庭に面した部屋に自然光が入ります。アイランドキッチンのあるリビングは家具の移動ができ、レイアウトを変えられます。60平米。千石駅から徒歩5分、巣鴨駅から徒歩7分。7:00から23:00まで利用でき、朝の光も夜の室内も撮れます。


8. the design gallery(新富町)

中央区新富の大正建築『the design gallery』の木のテーブルが置かれた室内
  • エリア:中央区新富
  • 料金:¥55,000(1日あたり・平日)
  • 広さ:75平米、収容約10名

大正時代に建てられ、関東大震災も戦争も越えて残った建物です。もとは甘味処で、長く空き家でした。2024年にギャラリーとして改装され、1階から3階までを使えます。75平米。屋上もあります。新富町駅から徒歩1分、築地駅から徒歩5分。日貸しのため、時間に追われずに撮れます。


【昭和の暮らしと学校】生活と学びの空間

9. STUDIO MOLCA(等々力)

世田谷区等々力のハウススタジオ『STUDIO MOLCA』の緑のカーペットとブラウン管テレビ
  • エリア:世田谷区等々力
  • 料金:¥24,200(1時間あたり・スチール)
  • 広さ:110平米、天井高2,300mm、収容20名

一軒家のハウススタジオです。1階はアンティーク家具の並ぶリビング、深い緑のタイルのキッチン、シノワズリの和室と続きます。2階は白壁とアーチ窓から自然光が入り、1階とは違う明るさになります。110平米を1階と2階で使い分けられるため、同じ日に違う設定を撮れます。等々力駅と尾山台駅から徒歩15分。


10. SEE YOU TOMORROW(太子堂)

世田谷区太子堂のスタジオ『SEE YOU TOMORROW』の植物と雑貨が並ぶ部屋
  • エリア:世田谷区太子堂
  • 料金:¥13,200(1時間あたり・平日)
  • 広さ:35平米、収容約8名

「記憶の中の部屋」をコンセプトにしたスタジオです。家具も生活雑貨も選び抜かれていますが、作り込みすぎず、いまも誰かが暮らしているような温度が残されています。35平米とコンパクトなので、人数の多い撮影には向きません。最低1時間から借りられ、近くの緑道や商店街と組み合わせられます。三軒茶屋駅から徒歩5分。


11. HOME/WORK VILLAGE(池尻)

世田谷区池尻の元中学校『HOME/WORK VILLAGE』の黒板と学習机が残る教室
  • エリア:世田谷区池尻
  • 料金:¥33,000(1時間あたり・スチール)
  • 広さ:63平米、収容40名

2004年に廃校となった旧池尻中学校の教室です。学習机、椅子、教卓、黒板、ロッカーが当時のまま残されています。都内で本物の教室を撮れる場所は多くありません。63平米で30〜40名が入ります。3階の窓の外には元校庭が広がり、教室と屋外を続けて撮れます。池尻大橋駅から徒歩10分。利用には審査があります。


【現役の仕事場】いまも使われている場所

12. 下町の町工場(江東区)

江東区の町工場『下町の町工場』の使い込まれた機械が並ぶ作業場
  • エリア:江東区
  • 料金:¥33,000(1時間あたり)
  • 広さ:150平米

昭和から続く電気製作所で、いまも稼働しています。使い込まれた機械と工具、積まれた部品。窓から入る光が、油の染みた床に落ちます。普段は働く人しか入れない場所です。150平米を1階と2階で使えます。南砂町駅から徒歩18分。掲載写真は2025年4月時点のもので、当日は配置が変わっている場合があります。


13. ワタナベボクシングジム(五反田)

品川区西五反田のボクシングジム『ワタナベボクシングジム』のリング
  • エリア:品川区西五反田
  • 料金:¥22,000(1時間あたり)
  • 広さ:160平米

五反田の名門ボクシングジムです。リングも、壁も、床も、実際に使われてきたものです。汗の染みた空間は、作ろうとして作れるものではありません。160平米。3階にあり、地上9階建てのビルです。利用できるのは6:30〜16:00で、練習の始まる前の時間帯に限られます。五反田駅から徒歩2分。


14. SPOTMAN(高円寺)

杉並区高円寺の古着店『SPOTMAN』の青いストライプの日除けがある店構え
  • エリア:杉並区高円寺南
  • 料金:¥11,000(1時間あたり)
  • 広さ:30平米

高円寺の古着店です。海外で買い付けたヴィンテージウェアとアンティーク雑貨が、30平米の店内に詰まっています。どこにカメラを向けても物が写り込む密度があります。店内には自然光がやわらかく入り、古い生地の質感がそのまま出ます。作り込むのではなく、すでにある空気を使う撮影に向きます。


用途別の選び方

ドラマ・映画の回想シーンで使う場合

年代を画で示す必要があるため、内装が当時のまま残っている場所を選びます。『珍々軒』『下町の町工場』『ワタナベボクシングジム』は、実際に何十年も使われてきた空間です。ただし利用できる曜日や時間帯が限られるため、日程を先に押さえてください。

ミュージックビデオ・ファッション撮影で使う場合

色と密度のある空間が向きます。『スナック ララバイ』のヴィンテージポスターと赤い絨毯、『SPOTMAN』の古着の密度、『カラオケバー カナリア』の照明。狭い空間でも、寄りの画では密度が効きます。

商品撮影・ライフスタイル撮影で使う場合

自然光の入る空間が扱いやすくなります。『かわせみ亭』『SEE YOU TOMORROW』『STUDIO MOLCA』は、いずれも窓からの光を使えます。生活のある空間に商品を置くと、使われている場面として見せられます。

イベント・展示で使う場合

収容人数と利用時間で絞ります。『アート喫茶フライ』は着席50名・立席70名、『カラオケバー カナリア』は最大40名、『HOME/WORK VILLAGE』は40名です。『the design gallery』は日貸しのため、設営から撤収までを1日で組めます。

よくある質問

昭和レトロなスタジオは何時間から借りられますか

スペースによって異なります。『SEE YOU TOMORROW』は1時間から、多くは2時間または3時間からです。『STUDIO MOLCA』は4時間から、『珍々軒』と『the design gallery』は1日単位での貸出です。

営業中の店舗でも撮影できますか

できます。今回紹介した喫茶店やスナック、町中華はいずれも営業している店舗で、営業時間の外を撮影に使う形です。そのため利用できる時間帯が決まっており、日程の自由度は施設型のスタジオより低くなります。

飲食のシーンを撮れますか

店舗によります。『アート喫茶フライ』は事前に相談すれば飲食の用意もできます。『珍々軒』は店内の調理器具や食材に条件があるため、問い合わせの段階で内容を伝えてください。

学校の教室で撮影できる場所はありますか

『HOME/WORK VILLAGE』が該当します。2004年に廃校となった中学校の教室で、机や黒板が当時のまま残っています。利用には審査があるため、日程には余裕を持ってください。

土日でも借りられますか

借りられますが、料金が変わるスペースがあります。『カラオケバー カナリア』は土日祝がスチール¥27,500、『サウナスナックかなこ』は¥27,500、『the design gallery』は¥66,000です。『スナック ララバイ』は土曜が利用できません。

まとめ

昭和レトロな空間の多くは、いまも使われている店舗や工場です。だからこそ再現できない質感がある一方で、利用できる曜日や時間帯、撮影内容には条件がつきます。日程の候補、撮影の種類、必要な機材。この3つを最初に伝えておけば、話は早く進みます。

今回紹介した14件を含め、HEYUSEではレトロな空間を37件掲載しています。